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SAT大正新脩大藏經テキストデータベース

智慧の宝庫、『大正新脩大藏經』の
第1巻から第85巻までの全テキストをデータベース化

新着情報

大蔵経テキストデータベース委員会は、『大正新脩大蔵経』出版元の大蔵出版株式会社からの全 面的な信任を得て、本データの作成と公開を行っています。

SAT大正新脩大藏經テキストデータベース2012版(SAT 2012)について

SAT大藏經テキストデータベース2012版(SAT 2012)は、デジタル媒体の時代にあわせた大正新脩大藏經の利便性の向上をめざし、学術情報の集積と閲覧の方法について、当研究会による現時点までの研究の成果を可能なかぎり反映させたものとなっています。その主要な柱は、(1)典拠についての信頼性の確保、(2)研究者による持続可能なコラボレーションシステムの構築、(3)個々の独立性を尊重した研究プロジェクト間の連携の実現、そして、(4)これら諸機能を統合的に利用しうるインターフェイスの提供、の4つです。以下に説明しますように、いずれも現在、世界で進められている人文情報学(Digital Humanities)の最先端の研究事例の一つとして諸学会で発表して評価を得たものであり、学術的に高い信頼性に裏づけられています。これらの事業は、(5)に示すとおり、国内外の諸学術団体、公益法人等と共同しつつ、国内外の研究者、大学院生の力を結集して進められています。

(1) 典拠についての信頼性の確保

仏教学において、『大正新脩大藏經』は出版以来、研究の国際標準典拠として国内外で広く用いられてきています。それは近代人文学にふさわしい形態を有し、研究成果の共有にとって必須の前提となる「位置情報」を提供しつづけることによって、研究の場全体を支える役割を果たしてきました。媒体が書物からデジタルへと転換するとき、研究の継続性維持のため、この位置情報を確保することは重要な課題となります。SATは書物における位置情報とデジタル媒体での位置情報を照合可能なかたちでアクセスできるようにしています。 さらに特筆すべき内容として、SAT 2012では、頁画像そのものも公開し、拡大表示によって文字の細部まで確認できるようにいたしました。一例として、以下の形式のURLによって当該箇所に直接アクセスすることができます。
http://21dzk.l.u-tokyo.ac.jp/SAT2012/T1564_,30,0001b10.html
現在、この機能を用いて、テクストそのものにかんしても、大正新脩大藏經の本文をより正確に反映できるよう、多くの若手研究者の協力により、現在も校正を重ねています。今後は、「大正新脩大藏經」がかかえた諸問題を解決し、こんにちまでの仏教学の研究成果を反映させた、より信頼性の高い典拠をデジタル媒体上で提供してゆく予定です。[関連研究発表一覧]

(2) 研究者による持続可能なコラボレーションシステムの構築

仏教学のみならず人文学一般において、研究の基盤となるさまざまな情報や成果の共同の場における蓄積は、きわめて重要なテーマです。近年では、インターネット、とくにWebを介したコラボレーションによって、これが飛躍的に実現可能となり、世界中のさまざまな分野で研究、実践が展開されています。こうした趨勢を先取りし、SATでは、Webコラボレーションを通じ、仏教研究の基礎資料そのものをデジタル媒体上に共同で構築することを目指しています。現在、その一環として、大正新脩大藏經本文の校正およびBDK(仏教伝道協会)英訳大蔵経と大正新脩大藏經の文章単位での照合を実施しています。このシステムは、仏教学全体に応用可能であり、一部のテクストに関しては、サンスクリット、チベット語訳等との照合もすでに試行しており、近いうちに公開することを目指しております。[関連研究発表一覧]

(3) 個々の独立性を尊重した研究プロジェクト間の連携の実現

近年、インド学あるいは仏教学において、世界中でさまざまなデジタル化プロジェクトが展開されています。利用者としてはそれらを統合的に扱えることが望ましいことですが、それぞれのプロジェクトは、それぞれに個別の歴史をかかえて固有な形態で遂行されており、その相違を超えて統合的に利用するには、さまざまな技術的困難をともないます。SATはこの問題の解決をめざし、個々のプロジェクトの独立性を保ちつつ、利用者としてある程度統合的に利用できる形態を実現しました。SAT 2012では、辞書プロジェクトとしてDigital Dictionary of Buddhism、書誌情報データベースとして、INBUDS, SARDS, CiNii、文字情報として、Chise、Chise Linkmap, HMS, Unihan databaseを提供しております。この連携機能の対象は今後さらに増やしていく予定です。[関連研究発表一覧]

(4) 諸機能を統合的に利用しうるインターフェイスの提供

SATでは、上述のさまざまな機能をWebブラウザ上で統合的に利用できるインターフェイスの提供を目指しています。SAT 2012では、「本文(および大正新脩大藏經の脚注)」「検索機能」「他のデータとの連係」という分類を設け、利用に不便のないかたちにしています。検索機能は、絞り込み機能の使いやすさや、検索結果のKWIC(Keyword in Context)表示といった点を改善しました。なお、具体的な機能と操作方法については「使い方」をご覧ください。[関連研究発表一覧]

(5) SAT 2012 推進協力団体および協力者名

SAT 2012 推進協力団体および協力者名については こちらをご覧ください。

(6) SAT 2012 に関連する研究発表

SAT 2012 の開発に関連して行われてきた主な研究発表は以下のとおりです。

SAT 2012 の開発全般に関連する研究発表
  • 下田正弘「聖なる書物のかなたに:新たなる仏教史へ」鶴岡賀雄編『言語と身体:聖なるものの場と媒体』岩波講座・宗教#5,岩波書店,2004, pp.25-52.
  • 永崎研宣「デジタルメディアの展開と仏教研究」『文部科学省私立大学学術研究高度化推進事業  学術フロンティア「奈良平安古写経研究拠点の形成」 平成19年度公開シンポジウム 仏典のテキスト学講演資料集』(2007年12月1日), pp. 31-35.
  • Shimoda, Masahiro, "The State of Research on Mahāyāna Buddhism: The Mahāyāna as Seen in the Development in the Study of Mahāyāna Sūtras," Acta Asiatica: Bulletin of the Institute of Eastern Culture No. 96, edited by A. Saito, 1-23. Tokyo: Tōhō gakkai, 2009.
  • 下田正弘「媒体の展開としての仏教史:教典研究と人文学の一将来像」市川裕,松村一人,渡辺和子編『宗教史とはなにか』リトン,2009, pp. 451-476.
  • Masahiro Shimoda, "Some Reflections on the History of Buddhist Canons in Ancient India", Indian Philosophy and Text Science, edited by T. Wada, 33-57. Delhi: Motiral Banarsidass, 2010.
  • Muller, A. Charles, Kōzaburō Hachimura, Shoichiro Hara, Toshinobu Ogiso, Mitsuru Aida, Koichi Yasuoka, Ryo Akama, Masahiro Shimoda, Tomoji Tabata, and Kiyonori Nagasaki, "The Origins and Current State of Digitization of Humanities in Japan," Digital Humanities 2010 (2010): 68-70.
  • 下田正弘「近代仏教学の形成と展開」奈良康明,下田正弘編『仏教の形成と展開:新アジア仏教史02』佼成出版社, 2010, pp.13-55.
  • 「教典」『宗教学事典』丸善, 2010, pp. 22-25.
  • Kyūma, Taiken, Izumi Miyazaki, and Tōru Tomabechi, "Hyper-Lamotte, Cyber-Frauwallner? Transmitting "traditional" methods of Buddhist Studies in the Web-sphere," (paper presented at the XVIth Congress of the International Association for Buddhist Studies 2011, Dharma Drum Buddhist College (Taiwan), June 25, 2011).
  • 下田正弘「経典研究の展開からみた大乗仏教」下田正弘他編『大乗仏教とはなにか:シリーズ大乗仏教1』春秋社, 2011, pp.39-71.
  • 永崎研宣「大蔵経の歴史と現在」『新アジア仏教史15 日本V 現代仏教の可能性』佼成出版社, 2011, pp. 15-53.
  • Tomabechi, Tōru, "Buddhist Philology in the Age of Digital Humanities: Retro- and Prospect," (paper presented at the Osaka Symposium on Digital Humanities 2011, Osaka University (Osaka), September 13, 2011).
  • Matsuda, Kuninori, Nobumi Iyanaga, and Kiyonori Nagasaki, "Digitizing the Hōbōgirin Following the Mark-up Guidelines of TEI: Potentialities and Problems," (paper presented at the Osaka Symposium on Digital Humanities 2011, Osaka University (Osaka), September 13, 2011).
  • Iwasaki, Yoichi, Kiyonori Nagasaki, Masahiro Shimoda, and Hiroko Kume, "Multi-Device Delivery of Research Results: Case Study of Ningbo Project," (paper presented at the Culture and Computing 2011, Kyoto University (Kyoto), October 22, 2011).
「(1) 典拠についての信頼性の確保」に関連する研究発表
  • 永崎研宣「シラブルを最小単位とする仏教哲学文献データベースについて」『情報処理学会研究報告』CH-71(2006年7月), pp. 33-40.
  • 永崎研宣 「要素間の関連情報を基盤とする仏教文献デジタル・アーカイブの可能性」『情報処理学会研究報告』2007-CH-75(2007年7月), pp. 31-38.
  • 永崎研宣, 下田正弘「東洋古典文献研究におけるデジタルテクストの適切な記述方法について―インド学仏教学のための学術知識基盤の構築に向けて―」『人文科学とコンピュータシンポジウム論文集』(社) 情報処理学会(2010年12月), pp. 311-316.
  • Nagasaki, Kiyonori, Tōru Tomabechi and Masahiro Shimoda "Toward a Digital Research Environment for Buddhist Studies," Digital Humanities 2011 (2011): 342-343.
  • 永崎研宣「インド学仏教学分野におけるデジタル媒体の活用と課題」『印度学仏教学研究』第60巻第2号(2012年3月), pp. 1111-1116.
「(2) 研究者による持続可能なコラボレーションシステムの構築」に関連する研究発表
  • 永崎研宣, 鈴木隆泰, 下田正弘「大正新脩大藏經テキストデータベース構築のためのコラボレーションシステムの開発」『情報処理学会研究報告』CH-70(2006年5月), pp. 33-40.
  • 永崎研宣「人文科学のためのデジタル・アーカイブにおけるステイクホルダー  ―仏教文献デジタル・アーカイブを手掛かりとして― 」『人文科学とコンピュータシンポジウム論文集』(社) 情報処理学会(2007年12月), pp. 347-354.
  • Nagasaki, Kiyonori, "A Collaboration System for the Philology of the Buddhist Study," Digital Humanities 2008 (2008): 262-263.
  • 永崎研宣, 白須裕之, 下田正弘「大蔵経における多言語対訳コーパスの構築」『人文科学とコンピュータシンポジウム論文集』(社) 情報処理学会(2009年12月), pp. 129-134.
  • 永崎 研宣 , 苫米地 等流 , Dorji Wangchuk , Orna Almogi , 下田 正弘「人文学のためのコラボレーション -ITLR コラボレーションシステムの開発を中心的事例として-」『人文科学とコンピュータシンポジウム論文集』(社) 情報処理学会(2011年12月), pp. 155-160.
「(3) 個々の独立性を尊重した研究プロジェクト間の連携の実現」に関連する研究発表
  • 永崎研宣「人文科学のためのデジタルアーカイブにおける「コンテンツのサイクル」」『東洋学へのコンピュータ利用第19回研究セミナー』京都大学21世紀COE「東アジア世界の人文情報学研究教育拠点」(2008年3月21日), pp.115-125.
  • 永崎研宣, 下田正弘「「人文系データベース」における相互運用性をめぐる諸問題」『人文科学とコンピュータシンポジウム論文集』(社) 情報処理学会(2008年12月), pp. 19-26.
  • Muller, A. Charles, and Kiyonori Nagasaki, "The Present Status of the Digital Dictionary of Buddhism and its Potentials for Usage in Translation and Markup," (paper presented at the workshop on Early Chán Manuscripts among the Dūnhuáng Findings - Resources in the Mark-up and Digitization of Historical Texts, University of Oslo (Oslo), October 1, 2009).
  • Nagasaki, Kiyonori, A. Charles Muller, Masahiro Shimoda "Aspects of the Interoperability in the Digital Humanities," Digital Humanities 2009 (2009): 375-377.
  • Nagasaki, Kiyonori, "Interoperation of Databases for Buddhist Studies," (paper presented at the XVIth Congress of the International Association for Buddhist Studies 2011, Dharma Drum Buddhist College (Taiwan), June 25, 2011).
「(4) 諸機能を統合的に利用しうるインターフェイスの提供」に関連する研究発表
  • 永崎研宣「インターネットリソースとしての仏教文献」『東洋学へのコンピュータ利用第18回セミナー』 京都大学21世紀COE「東アジア世界の人文情報学研究教育拠点」(2007年3月23日) pp. 125-134.
  • 永崎 研宣 , 苫米地 等流 , Dorji Wangchuk , Orna Almogi , 下田 正弘「人文学のためのコラボレーション -ITLR コラボレーションシステムの開発を中心的事例として-」『人文科学とコンピュータシンポジウム論文集』(社) 情報処理学会(2011年12月), pp. 155-160.(再掲)
  • Nagasaki, Kiyonori, Tōru Tomabechi and Masahiro Shimoda "Toward a Digital Research Environment for Buddhist Studies," Digital Humanities 2011 (2011): 342-343. (再掲)