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正法眼藏 (No. 2582_ 道元撰 ) in Vol. 82

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  No.2582

正法眼藏
正法眼藏。密傳密付。古之與今。嫡佛嫡祖。
永平元祖。入宋。穿鑿五葉之根蒂。歸朝。能
爲一天之蔭涼。忒殺婆心。以和字柔漢語。奇
妙善巧。令人不累文言。如石含玉。似地&T016254;
山。聊綴卑語。述其大旨耳。後昆。此八字不
打開。妙心源未通徹。一大藏教。少林妙訣。
夢也未見在矣
  嘉暦四年中夏
 曾孫義雲和南拜書 



彫刻永平正法眼藏縁由
恭ク以レハ。曩昔吾高祖禪師。萬里ノ嶮浪
ニ一葦ニ乘シ。風波ノ難ヲ辭セス。入宋シ
テ終ニ明州天童山ニ登リ。如淨禪師ニ參
謁シ。直下ニ心身脱落眼横鼻直ナルコト
ヲ識得シ。空手還郷シテ。初ニ法ヲ洛南深
草ノ興聖ニ開キ。後ニ道ヲ北越志比ノ本
山ニ唱ヘ玉フ。其中間二十餘年。弘法利生
横説竪説ノ家訓若干卷ナリ。其中和字ヲ
モテ漢語ヲヤハラケ。廣ク道俗ノ群機ニ
説示シ玉フ所ノ書。都盧一百卷。自ラコレ
ヲ正法眼藏ト題目シ玉フ。是レ即チ如來
一化ノ所説。金文五千軸ノ妙旨ヲ究盡シ。
祖祖單傳ノ正義ヲ直示シ。諸家ノ執見ヲ
辨斥シ玉ヒ。兒孫ノ輩ヲシテ親ク佛知見
ヲ開明シ。正法眼藏涅槃妙心ヲ證得セシ
メント欲シ玉フ所以ノ大慈大悲心ナリ。
シカアルニ。祖師滅後ステニ五百五十ノ
星霜ヲ經ルトイヘトモ。コノ書イマタ梓
ニ鐫ルコトヲ許サレス。兒孫輩唯拜寫シ
テ受持ス。故ニ展轉拜寫ノ毎度ニ。文字章
句ノ詳略。烏焉魚魯ノ錯誤無キコトアタ
ハス。其錯誤アルモカツテ疑怪ノ意ナク。
唯一己ノ臆斷ニヨリテ拜寫シ。其甚シキ
ニ至テハ。自ラ高識卓見擇法具眼ト誇
稱シ。諸山古刹ノ室内ニ秘在スル所ノ諸
本ト考讐シ。文句ノ長短廣略アルヲ見テ。
宗祖ノ見識ヲ點見シ。小見ノ邪疑ヲ生シ。
筆寫ノ疎脱ト謂テ妄ニコレヲ増補シ。マ
タ後人ノ妄添ト爲シテ私ニ削除シ。自ラ
痛快トオモヘリ。コレニ由リテ。後來ノ
晩學ヲシテ非非相傳ヘ。宗ノ邪正。法ノ實
歸ヲ知ラサラシムルニ至ル。是故ニ前ノ
堂頭洞宗宏振禪師。三僧統ノ大老ト相倶
ニコノ事ヲ慨嘆シ。專ラ彫刻流通ノ盛擧
ヲ謀リ玉ヒ。ツヰニ寛政七年乙卯ノ春。官
衙ニ上奏シ。明年丙辰十二月。官許ヲ蒙リ
玉フ。因ニ余ト俊量トヲ三僧統ノ廳ニ召
シ。彫刻ノ幹事ヲ命セラル。ココニ於テ。俊
量ト相倶ニ化ヲ四方ノ同志有縁ノ道俗ニ
募リ。コノ事ニ從フコト既ニ十年餘ニシ
テ業ヲ卒フ。茲歳文化八年辛未ノ春。越ノ
祖山ニ登リテ。現住堂頭勅特賜廣壽妙濟
禪師ニ拜謁シ。彫刻圓成ノ事ヲ奉告ス。因
ニ凡例及ヒ卷目ノ列次ヲ輯録シ。コノ縁
由ヲ併セテ。謹テ閣下ノ電覽ニ備ヘ。遂ニ
卷ノ首ニ附シテ。此書刊行ノ概略ヲ叙ス
 筑紫沙門穩達謹識 



彫刻永平正法眼藏凡例
佛祖
コノ卷目。諸本ミナ佛祖宗禮ト題號ス。シ
カアルニ。今現ニ豐後泉福寺ノ影室ニ秘
在セル經豪和尚眞筆ノ抄本ニヨリテ挍閲
スルニ。詮慧和尚ノ御聽書ニ。宗禮ノ二字
ヲ釋シテイハク。宗禮トイフ假名詞ニヨ
ムナリト。故ニイマコノ卷目。タタ佛祖ト
題號シテ。宗禮ノ二字ヲハ本文ノ句ノ首
ニ布置シテ。宗禮ト發語ノ假名ニ讀マシ

嗣書
コノ卷。古本ミナ末章本文ノ句ノ首ニ嗣
書ノ二字アリ。古本ノ傳衣ノ卷。マタ御眞
筆ノ辨道話等ニ準スレハ。コレ卷尾ノ題
目ナルコトアキラケシ。古本毎卷ノ末杪
ニ。正法眼藏第某ト。ミナ卷目ノ題號ヲ安
セリ。イマコノ卷尾ニ題號ヲ逸脱ス。シカ
アレハ。スナハチ古本末章ノ句ノ首ニ布
置セル嗣書ノ二字ハ。卷尾ノ題號ニシテ。
次下ノ文ノ「先師天童堂上大和尚乃至從來
ノ舊窠ヲモ脱落スルナリ」等ノ六百四字
ハ。末章ナルコト必セリ。ユヘニイマ全部
毎卷ノ尾ニ題號ヲ安スルノ例ニ傚ヒ。正
法眼藏ノ四字ヲ加ヘテ題號ヲ貼ス。末章
ノ例ハ。法華觀音・梅華・面授・傳衣等ノ卷ノ
如シ
洗面
コノ卷委悉ニ清本ト對閲スルニ。語句ノ
詳略大同小異。格別ノ差異無シ。マタ福本
ト挍閲スルニ。福本ハ本文全ク存セサレ
ハ。異同ノ考フヘキ無シ。宋吾本ト挍讐ス
ルニ。文句ノ詳略異同過半ナリ。故ニイ
マ唯宋吾本ノ差異ノミヲ本卷ノ上層ニ標
掲シテ。看讀人ノ考讐ニソナヘ。福清兩本
ノ異同ヲハ。シハラク略シテ標擧セス。舊
來コノ卷三本ノ差異アリ。ユヘイカニト
ナレハ。コノ卷ハ興聖・吉峯・永平等ノ三處
ニ於テ示衆シ玉ヒ。其説示ノ毎度ニ語句
ヲ添削潤色シ玉フモノ。疑ヒ無シ。最初延
應元年己亥ノ冬。興聖ニ於テ示シ玉フ所
ノ一本アリ。其展轉謄寫ノ本。所在未タ詳
ナラストイヘトモ。其謄本アルコト。宋吾
梵清ノ兩本トモニ。ミナ末章ノ前行ニ。延
應元年己亥十月二十三日在觀音導利興聖
寶林寺示衆トイフ。二十四字ヲ記ス。コノ
二十四字ノ奧書ニテ。興聖示衆ノ謄本ア
リシコト推シテ知ルヘシ。中コロ寛元元
年癸卯ノ冬。吉峯ニ在テ説示シ玉フ所ノ
一本アリ。即今世ニ現在セル所ノ宋吾本。
其傳寫シ來ル所ノ本ナリ。後建長二年庚
戌ノ春。永平寺ニ於テ衆ニ示シ玉フ所ノ
一本アリ。其展轉謄寫ノ本。マサシク今時
現行ノ梵清本即チ是レナリ。梵清謄寫ノ
本ノ卷尾ニ。興聖ニ在テ示衆ノ奧書アリ
トイヘトモ。其本文ニイハク。イマ吉祥山
永平寺嚼楊枝ノトコロアリト。マタイハ
ク。幸値永平老漢嚼楊枝。是レ即チ永平
寺ニ在テ示衆ノ奧書ト本文ノ祖語ト的當
シテ。他ノ雜糅無キコト知ルヘシ。宋吾本
ハ實ニ吉峰示衆ノ混金璞玉ナルカ故ニ。
「イマ吉祥山乃至幸値永平」等ノ祖語ヲ載
セス。是ヲ以テカニ知ル。其三處ニ於テ
示衆ノ毎度ニ。語句ヲ添削潤色シ玉フコ
ト疑ヒ無キコトヲ。有人イハク。洗面洗淨
ノ二卷ハ。通本ヲ以テ福本オヨヒ清本等
ニ對閲挍讐スルニ。通本是ニシテ。古本ハ
不可ナルニ似タリ。知ヌ固ヨリ二本アル
コトヲ。今ハシハラク通本ニ從フト。有人
マタイハク。洗面ノ卷。元來二本アリト。
コノ卷ノ異同ステニ上ニ辨スルカ如ク。
コノ卷ハ宗祖親シク三處ニ於テ示衆ノ毎
度ニ。其語句ヲ添削潤色シ玉ヘハ。其語句
ノ異同アルモ。舊來祖師ノ親誥實語ナレ
ハ。孰ヲカ是トシ。孰ヲカ非トセン。或ハ後
學ノ輩。宗祖示衆ノ語句ノ異同アルニ眩
惑シテ。其語句ノ多寡異同アルハ。ミナ後
人ノ一己ノ私情ヲモテ。妄ニ添削スル所
ナラント疑看センコトヲ恐ル。故ニイマ
刻スル所ノコノ卷ハ。全ク永平示衆ノ全
文ニ依リ。宋吾本ノ差異ヲハ本文句句ノ
層上ニ掲ケテ。看讀ノ人ヲシテ。コノ卷舊
來兩三本ノ差異有リテ。諸方ニ秘在セル
所ノ數本ノ由リテ出ル所ヲ知ラシメンコ
トヲ欲シ。聊コノ辨ニ及フ
コノ書。宗祖ノ御手澤ハ。全部ミナ俗假字
ヲモテ御草稿アリテ。學人ニ説示シ玉ヘ
ハ。俗假字ヲ以テ拜寫センコト。舊來ノ正
義ナリトイヘトモ。經豪和尚手澤ノ抄本
ヲ拜閲スルニ。本文參注トモニミナ眞假
ナリ。イマ拜寫シ得テ刻スル所ノ永平
寶庫ノ藏本。カツ二代禪師御眞筆ノ二十八
卷ノ秘本。梵清和尚眞蹟ノ正本等モ。亦ミ
ナ眞假字ヲモテ謄寫セリ。梵清和尚ノ本
ハ。タタ四攝法四馬法華轉法華袈婆功徳遍
參等ノ五卷ノミ俗假字ヲモテ寫セリ。マタ
近世六十篇ヲ全部ト局定シテ謄寫シ秘蔵
スル所ノ本ハ。全部ミナ俗假字ヲモテ寫
セリトイヘトモ。其書兩三部ヲ得テ對讀挍
讐スルニ。假字ノ訓音ハ同シケレトモ。
ノ字體異ナルモノ許多ナリ。雖ヲヰヱ
トモニ寫シ。誘ヲヰサナイニ寫シ。勢ヲイ
キオヰニ寫シ。教ヲオシヱニ寫ス等ノ類。
カクノ如キ等ノ舛訛一二三ニアラス。ソ
レ國字ノ訓音ハ固ヨリ同音ナルモ。毎字
七音四聲輕重清濁字母。各相ソナハリテ。
混同スルコトヲ得ス。タトヒ國字ノ異同
ヲ管セズ。俗假字ヲモテ寫スベクモ。未ダ
古本ノ全部一齊ニ俗假字ヲモテ寫セル正
本ヲ拜看セザレハ。梵清本ノ如ク俗假字
眞假字相雜糅シテ梓ニ鐫リガタシ。故ニ
今刻スル所ノコノ書。全部一齊ニ眞假字
ヲ以テ寫セル永平庫内ノ藏本ニ就キ寫シ
得テ。一字一點ノ私意ヲ加ヘズ。唯原本ノ
儘ヲ彫刻ス。且諸方ノ古刹ニ秘在スル所
ノ諸本ト。文字ノ異同言句ノ詳略有ルガ
如キハ。經豪手澤ノ眞本ト梵清眞蹟ノ正
本トニ挍讐シテ。一字二字或ハ一句二句
ヅツ。今刻スル所ノ印本ノ上方ニ標掲ス
全部ノ中。經律論及ヒ諸祖ノ語録。諸子百
家ノ史傳等ヨリ。往往古語ヲ引證シ玉フ。
ソノ中ニ。初學ノ人國讀ヲナシガタキト
コロハ。經豪梵清以下ノ諸師布置セラレ
シ訓點ノ儘ヲ梓ニ鐫リ。初學ノ看讀ニ便

コノ書。卷目ノ多寡編集ノ列次。古今ノ諸
師家家不同ナリ。今且ク奘翁ノ挍正結集
シ玉フ七十五帖ノ次第ヲ列セバ左ノ如

現成公案 摩訶般若波羅蜜 佛性 身心
學道 即心是佛 行佛威儀 一顆明珠 
心不可得 古佛心 大悟 坐禪儀 坐禪
箴 海印三昧 空華 光明 行持 恁麼
 觀音 古鏡 有時 授記 全機 都機
 畫餅 溪聲山色 佛向上事 夢中説夢
 禮拜得髓 山水經 看經 諸惡莫作 
傳衣 道得 佛教 神通 阿羅漢 春秋
 葛藤 嗣書 柏樹子 三界唯心 説心
説性 諸法實相 佛道 密語 無情説法
 佛經 法性 陀羅尼 洗面 面授 佛
祖 梅華 洗淨 十方 見佛 遍參 眼
睛 家常 三十七品菩提分法 龍吟 祖
師西來意 發無上心 優曇華 如來全身
 三昧王三昧 傳法輪 大修行 自證三
昧 虚空 盋盂 安居 他身通 王索仙
陀婆 出家
右七十五帖ハ。祖師滅後四年。建長七年乙
卯ニ至テ。永平二代懷奘禪師。祖師ノ御
草本ニ就テ書寫シ。親ク自ラ挍正列次輯
録シ玉フ所ニシテ。詮慧和尚ノ御聽書及
ヒ其嗣經豪和尚ノ抄本モ。亦コノ奘翁編
集ノ七十五帖ニ依リ玉フ
祖師滅後五十一年。乾元癸卯ノコロ。經豪
和尚詮慧和尚之徒。
住洛之永興寺
奘翁編集ノ七十
五帖ヲ書寫シテ。毎卷ニ抄ヲ作リ玉フ。經
豪手澤ノ正本。今現ニ豐後州横手村泉福
寺開山無著和尚ノ影室ニ秘在ス。世ニ是
ヲ經豪本。マタ影室本。マタ七十五帖トモ
稱ス。今刻スル所ノ印本ノ上層ニ。單ニ影
室ト稱シ。マタ福本ト略稱ス
祖師滅後七十六年。嘉暦四年己巳ノ夏。永
平中興義雲和尚自ラ正法眼藏六十卷ヲ集
メテ。毎卷ニ題號ノ頌ヲ述作シ玉フ。即チ
奘翁編集ノ七十五帖ノ中ニ就テ
現成公案 摩訶般若波羅蜜 佛性 身心
學道 即心是佛 行佛威儀 一顆明珠 
古佛心 大悟 坐禪儀 海印三昧 空華
 光明 行持 恁麽  觀音 古鏡 有時
 授記 全機 都機 畫餅 溪聲山色 
佛向上事 夢中説夢 看經 諸惡莫作 
道得 神通 阿羅漢 葛藤 柏樹子 三
界唯心 無情説法 法性 陀羅尼 洗面
 十方 見佛 遍參 眼睛 家常 龍吟
 祖師西來意 發無上心 優曇華 如來
全身 盋盂 安居 虚空
等ノ五十卷ヲ拔取シ。其中ノ行持ノ卷ヲ。
上下ニ分テ二卷トナシ。マタ奘翁ノ七十
五帖ニ脱逸散在シテ無キ所ノ
三時業 法華轉法華 菩提薩埵四攝法 
發菩提心 四馬 袈裟功徳 出家功徳 
供養諸佛 歸依三寶
等ノ九卷ヲ捃拾添加シテ。都テ六十卷ト
ナス卷目ハ唯五十九卷ニシテ。行持ノ卷ヲ上
下ニ分テ二卷トナシ。都テ六十卷ト稱ス
世ニ
イハユル宋吾本ト稱スルモノ是ナリ
應永己亥ノコロ。加州佛陀寺大容梵清和
尚。奘翁ノ七十五卷ヲ寫シテ。遲日江山麗。
春風華草香。泥融飛燕子。沙暖睡鴛鴦ノ古
句二十字ヲ以テ。毎冊各一字ヲ配布シテ。
二十冊ニ分テ本集トナシ。マタ奘翁編集
ノ七十五帖ニ散逸セル九卷ヲ寫シテ。木
火土金水ノ五字ヲモテ。一字ヅツ毎冊ニ
配布シ。五冊ニ分テ別輯全部二十六冊
本集二十冊。別輯五冊。別ニ網目一冊ヲ
加ヘテ。冊數都テ全部二十六冊トナス
卷數都テ八
十四卷トナス丹波州一森村玉雲寺開山大容梵清
和尚。應永二十六年己亥ノコロ。加州
佛陀寺ニ住スル時。自ラ書寫スル所ノ八十四卷ノ眞
本。今現◎ニ同州苑部徳雲寺ニ秘在ス。中古以來篤信ノ
師僧相競テコノ八十四卷ヲ拜謄ス。
今印本ノ上層ニ清本ト略稱ス
永平寺寶庫ニ秘在スル所ノ秘密正法眼藏
ト題號セル本。二十八卷アリ。祖師滅後三
十五年。弘安十一茲歳改元正應年戊子ノ九月晦
日ニ寫ス所ニシテ。其字樣モツトモ古筆
ナリ。コノ中二十卷ハ。梵清ノ八十四卷ノ
中ニ包含ス。其八十四卷ノ中ニ脱逸シテ
無キ所ノモノ八卷アリ。卷目左ノ如シ
後心不可得 示庫院文 八大人覺 四禪
比丘 深信因果 唯佛與佛 受戒 道心」
右秘密ノ中ヨリコノ八卷ヲ拔采シ。梵清
本ノ八十四卷ニ増加シテ。都盧九十二卷
トス
元祿年中永平三十五世晃全禪師
辨道語 重雲堂式 生死
右ノ三卷ヲ捃摭シテ。上ノ九十二卷ニ參
合シテ。都テ九十五卷トナシテ。全部ヲ結
集シ畢ル。正法眼藏闢邪訣元文三年戊午ノ春。
若州空印寺面山和
尚撰述スルトコロニシテ。後學ノ本
書ヲ看讀スル者ノ邪惑ヲ辨斥ス
ニイハク。重
雲堂式。從肥後廣福寺出。生死。從永
平寶藏出。辨道語。從京師華族家出。元
録年中。永平晃全禪師。采三卷
十二卷。總&MT06279;爲九十五卷奘翁編集ノ七十五卷
ト。義雲編集中ノ捃
拾散逸ノ九卷ト。秘密中ヨリ拔釆ノ八卷
等。彼此參合シテ。都テ九十五卷トナル
コノ毎冊卷目開合ノ多寡。カツ卷目編集
次序ノ如キ。編集ノ手各別ナルガ故ニ。編
次モ亦隨テ差異ス。是ヲ以テ後世各自ニ
其家家先人ノ編集ヲ固執シテ。卷目多寡
是非ノ諍論出ルニ至ル。今刻スル所ノ印
本ハ。始辨道話ヨリ終リ八大人覺ノ卷ニ
至ルマデ。祖師説示シ玉フ年月ノ次第ヲ
推シテ卷目ヲ列次ス。祖師説示ノ年月不
記ノ卷ノ如キハ。奘翁編集ノ年月ノ次第
ヲ推シテ卷目ヲ列次ス
生死・道心・受戒等ノ三卷ハ。舊來祖師説示
ノ年月。マタ奘翁編集ノ年月ヲモ記セザ
ルガ故ニ。年月ノ次第ヲ推シ編次スルコ
トヲ得ズ。故ニ今シバラク唯佛與佛ノ卷
ノ下ニ列次編集ス
唯佛與佛ノ卷ノ如キハ。祖師説示ノ年月
ヲ記セス。唯弘安十一年戊子ノ春。奘翁編
集ノ年月ノミヲ記セリ。シカアレバ。奘
翁八大人覺ノ卷ヲ編集ナサレシ建長七年
乙卯ヨリ。三十四年後ノ編集ナレバ。決定
シテ卷末ニ列次スベキナレドモ。八大人
覺ノ卷ハ。奘翁編集ノ奧書ニモイハク。コ
ノ御草等ハ先師最後ノ教勅ナリ。若シ先
師ヲ戀慕シ奉ルノ人ハ。必コノ卷ヲ書シ
テコレヲ護持スベシ。コレ釋尊最後ノ教
勅。且ツ先師最後ノ遺教ナリト。カクノ如
ク奘翁慇懃ノ教示アレバ。唯コノ卷ノミ
殊ニ列次ニカカハラズ。四禪比丘ノ次位
ニ列シテ。四禪比丘・唯佛與佛・生死道心・
受戒・八大人覺ト列次ス。讀ムモノ訝ルコ
トナカレ
コノ書全部ノ冊數。舊來定數有ルコト無
シ。梵清本ハスデニ上ニ辨ズルガ如ク。遲
日江山乃至睡鴛鴦等ノ二十字ヲ以テ。毎册
ニ各一字ヲ配布シテ。本集ヲ二十册ニ分
ツ。今刻スル所ノ印本モ亦コレニ效テ。震
旦初祖傳法ノ頌ノ。吾本來此土。傳法救迷
情。一華開五葉。結果自然成ノ二十字ヲ以
テ。毎册ニ各一字ヲ配布シテ。全部ヲ二十
册ニ分チ。マタコノ二十册ヲ四帙ト做シ
テ。開示悟入ノ四字ヲ以テ帙目ヲ次表シ。
毎帙各五册ヲ收在ス。宗祖説示シ玉フ所
ノ假名正法眼藏ノ御草稿。最初ハ都盧一
百卷アリキ。御遺物記録ニイハク。正法眼
藏百草ト。マタ八大人覺ノ卷ノ奧書ニイ
ハク。都盧一百卷撰之ト。シカアルニ。コ
ノ中五卷ハ。往古スデニ散逸シテ。兒孫輩
コレヲ拜閲スルコトヲ得ズトイヘドモ。
幸ニ九十五卷今尚存在シテ。拜閲スルコ
トヲ得ルハ。實ニ兒孫ノ慶快ナリ
義雲禪師ノ序ハ。師ノ本録ニ載テ久シク
世ニ行ハル。固ヨリ本書通篇ノ序ニアラ
サルコトハ人ノ知ル所ナリ。シカアレト
モ宗祖述作ノ大旨。カツ後學參究ノ箴誨。
自ラ師ノ文辭上ニ昭昭タリ。故ニ假リテ
今刻スル所ノ本書ノ首ニ弁ラシメテ。別
ニ序引跋語等ヲ附セスト云





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