イベント のバックアップ(No.4) - 次世代人文学開発センター 萌芽部門 データベース拠点・大蔵経DB
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イベントの予定

以下の要領にて国際シンポジウムを開催します。奮ってご参加ください。

デジタル化時代における知識基盤の構築と人文学の役割

――デジタル・ヒューマニティーズを手がかりとして――

日時:2011年11月29日 13:00-17:40

会場:東京大学大学院情報学環福武ホール・福武ラーニングシアター

主催:東京大学文学部次世代人文学開発センター/ 東京大学大学院情報学環メディア・コンテンツ総合研究機構/ 科研基盤A「国際連携による仏教学術知識基盤の形成 ― 次世代人文学のモデル構築」

後援:アート・ドキュメンテーション学会 / 情報知識学会 / 情報処理学会人文科学とコンピュータ研究会 / 東京大学知の構造化センター / 一般財団法人人文情報学研究所

登壇者(登壇順・敬称略):下田正弘/長尾真/武田英明/江上敏哲/James Currall/Michael Moss/John Unsworth/吉見俊哉

問い合わせ: iiiutdh -at- gmail.com

プログラム(同時通訳付き)

  • 「シンポジウムの趣旨説明」13:00-13:10

下田正弘(東京大学大学院人文社会系研究科教授)

インド学仏教学研究者であり大蔵経テクストデータベースプロジェクト「SAT」の代表として仏教学におけるデジタル化を主導。Japanese Association for Digital Humanitiesの代表として日本のデジタル・ヒューマニティーズ全体の国際的な連携を目指している。

  • 講演1 13:10-13:50

「国会図書館のデジタル・アーカイブへの取り組みと人文学への期待」

長尾真(国立国会図書館長)

情報工学研究者であり、京都大学総長、独立行政法人情報通信研究機構理事長等を歴任し、現在は国立国会図書館長として日本の書籍のデジタル化と公開に精力的に携わっている。

  • パネル「デジタル・アーカイブにおける人文学の現在・未来」14:00-15:30

司会:A. Charles Muller(東大文学部次世代人文学開発センター特任教授)

  • パネル発表1「共有・再利用のための知のデジタル・アーカイブ」14:05-14:25

武田英明(国立情報学研究所教授)

情報工学研究者として人工知能関連の研究に従事。現在は、国立情報学研究所学術コンテンツサービス研究開発センター長として日本の様々なデジタルコンテンツの構築に関わっている。

  • パネル発表2「日本の文化資源の海外発信における課題」14:25-14:45

江上敏哲(国際日本文化研究センター図書館)

京都大学図書館においてデジタル図書館事業に携わった後、現在は、国際日本文化研究センターにおいて、主に海外の日本研究者からの、デジタル資料を含む各種資料に関する問い合わせに対応する業務に従事している。

  • パネル発表3「隙間に注意:デジタル・ヒューマニティーズを機能させるには "Mind the Gap: making digital humanities work"」14:45-15:20

James Currall (グラスゴー大学ITサービス部門情報政策・サービス基準担当部長兼文学部人文学高度技術情報研究所上級リサーチ・フェロー)

グラスゴー大学において、ITサービスや情報流通に関わる戦略企画や運営に携わるとともに、同大文学部の上級リサーチ・フェローとして様々な学際的共同研究をも手がけ、情報技術と社会に関わる様々な側面についての教育や出版を行っている。

Michael Moss (グラスゴー大学文学部人文学高度技術情報研究所研究教授)

スコットランド国立文書館の非常勤役員、英国政府文書館の審議会委員を併任。歴史学と情報科学の分野、特にアーカイブズ学と図書館学、およびデジタル・メディアの影響について研究・著述を行っている。

質疑応答 10分

  • 講演2:

「デジタル化と人文学研究 "Digitization and Humanities Scholarship"」15:40-16:30

 John Unsworth(イリノイ大学大学院図書館情報学研究科長)

 英文学・図書館情報学研究者として人文学のデジタル化に長年携わり、米国を中心に国際的なデジタル・ヒューマニティーズの研究動向を牽引してきており、現在もText Encoding Initiativeを始め、様々な関連する国際的なコミュニティにおいて中心的な役割を果たしている。

質疑応答 10分

  • 全体ディスカッション 16:50-17:40

コメンテーター:吉見俊哉(東京大学大学院情報学環教授)

社会学研究者としてメディアに着目しつつ多方面で活躍する一方、デジタル時代の知の在り方という観点から、岩波「思想」のデジタル化をはじめ、文化資源のデジタル化にも深く関わっている。

本シンポジウムの趣旨

デジタル化技術の革新とウェブシステムの急速な整備は、相乗的に作用しながら、知の保存形態と発信の方法とを同時に変革し、大学、図書館、博物館等に個別に所蔵される知を、広大な一つの世界的地平へと開き出しつつある。この現状にあって、過去の知的遺産を適切に次世代へと継承し、あらたなる知創成の基盤とするためには、伝統的知の性質と、普及しつつある新媒体の性質との双方を的確に把握し、各領域の知の固有の性質に応じたデジタル化を実現する必要がある。この課題を正面から担うべく、人文、社会、芸術学の新たな分野として、欧米においてデジタル・ヒューマニティーズ(人文情報学)が確立された。本シンポジウムは、この現状を紹介して日本の現状に照らし合わせ、日本の知識基盤形成の課題と今後の進むべき方向とを模索する。

本シンポジウムにおいてとりわけ注目したいのは、図書館・ミュージアム・アーカイブズ等が主体となって進めつつある、デジタル・アーカイブにおける人文学的方法論のありようである。現在、資料のデジタル媒体への転換によって、紙媒体に潜んでいた諸課題が顕在化するとともに、紙媒体の特性に制約されない資料活用のさまざまな可能性が開かれつつある。過去の文化資源を適切にデジタル化して次世代に提供するうえで、各領域の知の特性に通じた人文学研究者が果す役割はきわめて大きい。欧米ではこうした観点から、早くから図書館、博物館等と人文学との協働プロジェクトが多数展開し、方法論の議論が広く行われてきた。デジタル・アーカイブの担い手と人文学者のあいだにいかなる関係が構築されうるか。それは、文化資源を適切に社会に公開するのみならず、あらたな時代の人文学を展開してゆくための重要な課題である。