欧米の最新動向を二つの観点から

ヨーロッパ人文学デジタルインフラプロジェクト(DARIAH)のリーダーLaurent Romary氏とペルセウスデジタル図書館のリーダーGregory Crane氏を招聘して同時通訳付きで最新動向をおうかがいします。

日本の最新動向を一堂に

人文学の学術基盤に関わる国内の研究機関・プロジェクトから20件のポスター・デモンストレーションを出展して頂き、現在の最新動向の一端を実際に見ていただく時間を設けます。

デジタル時代の人文学の基盤を考える

人文学が依拠し得る安定したデジタル学術基盤はいかにして構築・運用可能なのか。本シンポジウムはそれを考えるための手がかりをご提供することを目指します。

講演

ポスター/デモンストレーション

2分のショートトークに加えて、40分間+αのデモンストレーション時間を設けます。 これを機に、ぜひ日本の最新動向の一端に触れてみてください。

  • MoSaIC: 様々なコンテクストによってデジタルコンテンツを繋ぐ
    石川 尋代, 金子 晋丈, 松田 隆美(慶應義塾大学DMC研究センター)
  • 日本語史研究基盤としての『日本語歴史コーパス』
    小木曽 智信(国立国語研究所)
  • NIJL-NW project:現況と未来
    岡田 一祐,松田 訓典,山本 和明(国文学研究資料館)
  • 人文学研究資源としての国立国会図書館デジタルコレクション
    奥田 倫子(国立国会図書館電子情報部 電子情報流通課標準化推進係長)
  • IIIF Curation Platform:人文学における画像配信・検索・再編集基盤
    北本 朝展(情報・システム研究機構 データサイエンス共同利用基盤施設 人文学オープンデータ共同利用センター/国立情報学研究所)
  • 歴史研究のオープンサイエンス化に向けたLinked DataとIIIFの活用
    後藤真,渋谷綾子,橋本雄太(国立歴史民俗博物館)
  • 国際日本文化研究センター所蔵「日本関係欧文貴重書」データベース
    白石 恵理(国際日本文化研究センター)
  • 時間情報システム HuTime
    関野 樹(国際日本文化研究センター)
  • 東京国立博物館の所蔵する古典籍とデジタル化
    田良島 哲 (東京国立博物館 博物館情報課長)
  • 東京大学デジタルアーカイブズ構築事業について
    中村 覚(東京大学情報基盤センター/東京大学学術資産アーカイブ化推進室)
  • SAT大蔵経データベースが目指す学術基盤のエコシステム
    永崎 研宣(一般財団法人人文情報学研究所/東京大学)
  • 京都大学貴重資料デジタルアーカイブの紹介 〜人文学の学術情報流通促進を目指して〜
    西岡 千文(京都大学附属図書館研究開発室)
  • みんなで翻刻―市民参加型の歴史研究に向けて
    橋本 雄太(国立歴史民俗博物館)
  • 持続可能なデジタル人文学のためのデータベースホスティング
    原 正一郎、亀田 尭宙(京都大学東南アジア地域研究研究所)
  • H-GIS(人文学地理情報研究会)
    原 正一郎(京都大学東南アジア地域研究研究所)、関野 樹(国際日本文化研究センター)
  • 専門性の深化を目的とした人文系大規模データベースの構築 -ポータルデータベースと横断検索システムによる世界規模の所蔵品検索・閲覧システム-
    ビルゲサイハン・バトジャルガル(立命館大学)
  • アジア・アフリカの研究資源を構築して20年
    星 泉(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所)
  • 地域研究画像デジタルライブラリにおける情報化と編集環境の構築
    丸川 雄三、飯田 卓(国立民族学博物館)
  • 複製による日本関係史料の収集とその永続的管理
    山田 太造(東京大学史料編纂所)
  • 大学院生を中心としたデジタル歴史学への取組み
    ToDH (Tokyo Digital History)

開催趣旨

科学研究費補助金基盤研究(S)「仏教学新知識基盤の構築―次世代人文学の先進的モデルの提示」は、仏教研究を事例としながら、デジタル時代における人文学の学術基盤のありかたについて、研究を重ねてまいりました。日本の人文学にとって焦眉のこの課題を解決するためには、世界の現状を把握したうえで、独自の見通しを立てることが重要です。

このたび、このテーマに関して国際的に指導的役割を果たしている2名の研究者を招聘し、下記のとおり、国際シンポジウムを開催する運びとなりました。招聘する研究者の一人は、欧州における人文学・芸術のためのデジタル研究基盤プロジェクトDARIAHのリーダーであるLaurent Romary博士、もう一人は、ギリシャ・ラテンの古典籍の高機能テクストデータベース、ペルセウスデジタル図書館のリーダーであるGregory Crane教授であります。DARIAHは、欧州研究基盤コンソーシアム(ERIC)の一環として人文学と芸術に関する多様な観点からのデジタル研究基盤の共有と研究の場を提供するとともに、デジタル・ヒューマニティーズのためのMOOCを公開するなどしています。ペルセウスデジタル図書館は、1985年に始まり、1,178のギリシャ語作品、612のラテン語作品、その様々なエディションを含む、総計5千万語のテクストからなる高機能文献検索閲覧サービスを世界の西洋古典研究者に提供しています。いずれも人文、芸術の分野における世界最先端の知識基盤として、日本の人文学の学術基盤の構築に、さまざまな示唆を与えてくれるものと期待しています。

今回は、同時通訳を提供することで、最先端の人文学デジタル学術基盤について日本語で議論できるようにいたします。

さらに、このたびは、現在の日本における人文学のデジタル学術基盤がどのように展開しているかを参加者の皆様に一望していただくことを目指し、関連する日本の代表的な組織・プロジェクトのうち20件について、ポスター発表及びデモンストレーションという形でのご参加をいただくことができました。関係者の方々と直接やりとりのできる貴重な機会にもなろうかと思います。詳細は上記をご覧下さい。

皆様におかれましては、ふるってご参加いただけますよう、ご案内申し上げます。

シンポジウムプログラム

  • 13:30 開催趣旨 (下田正弘)
  • 13:50 講演(Laurent Romary)
    Going digital: the role of an infrastructure
  • 14:30 講演(Gregory Crane)
    Philology2.0, the Smart Edition and the Future of Work
  • 15:10 休憩
  • 15:25 講演(大向一輝)
  • 「オープン人文学」を支える知識インフラ
  • 16:05 ショートプレゼンテーション(20件:上記参照)
  • 16:45 ポスター及びデモンストレーション(同上:上記参照)
  • 17:25 パネルディスカッション
  • 18:05 ポスター及びデモンストレーション
  • 18:30 終会

会場

一橋講堂中会議場
〒100-0003
東京都 千代田区一ツ橋2丁目1−2
学術総合センター 2F

主催

科研基盤(S)仏教学新知識基盤の構築 ―― 次世代人文学の先進的モデルの提示(代表:下田正弘)

後援

一般財団法人人文情報学研究所